新たなコミュニケーション改善ツール
翌日。
ひとまず5W1Hで報告を受けてみます。
昨日よりひどい。
もう笑えてきます。
彼に必要なのはもっとシンプルなツール。
そう思って、参考としたのは、論文の書き方でした。
私は今年の春まで5年間、情報処理技術者試験の高度区分を受験し続けていました。
ちなみに論文が必要となる区分のうち合格した資格はこんな感じです。
・ITストラテジスト試験
・システムアーキテクト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・ITサービスマネージャ試験
・システム監査技術者試験
うん。
がんばったぞ私!
資格によっては数回落ちていますが・・・それはさておき。
実のところ、私も論文が苦手でした。
毎回、論文が書けなくて、周りの大切な人に当たってしまうことも数知れず。(ごめんなさい。。)
そんな悩みがあったので、論文の書き方に関する本は3冊読んだことがあります。
論文を書くときのポイント
論文は、以下の順番で書くことで論理的に伝わると言われています。
私は○○をした。
なぜなら△△だからである。
例えば◎◎のようなことである。
具体的には✕✕をした。
この組み合わせでひたすら書き続けます。
もちろん論文の場合、リード文章やブリッジ文章も必要ですが、基礎はこれだけです。
この基礎にはこんな効能があります。
・論理的な文章が書ける。
→”〜した、〜した”を繰り返す論文になるのを防ぐことができる。したした文章だと、なぜそれをしたのか?を採点者に証明できないのです。
・中身がなくても論文のように仕上がる。
→とにかくこの順番で書くと、それっぽくなるのです。魔法です。(中身はあったほうがよいのですね・・。)
これならシンプルだし、もともと文章のような書き方になっています。
早速、ツールを変えてチャレンジしてほしいことを伝えました。
いい方向に動き出した!
1日目。
最初はやはり上手くできません。
また長文で書いてきました。
書いていること以外のことも報告しようとします。
うん。
これお決まりのパターンだね。
ツール変えると前回の指摘忘れるのね。
でも、不思議と怒りのような感情は湧いてきません。
一緒に成長しようという気持ちがあるからでしょうか。
ルールを設けました。
・テキストに書いたこと以外は話さないこと。
・質問は不明点があれば私からするので余計なことは書かないこと。
・主語をはっきりさせること。
・不必要な修飾語は書かないこと。
さらに彼が書いてきたテキストを私が修正して具体的にこうしてほしいと見せてます。
2日目。
夕方の報告でついに変化が訪れました。
シンプルな構成が功を奏したのです。
必要な項目に対して、最低限の文章を当てはめることができるようになりました。
まだ完全ではないのですが、明らかに今までとは違います。
報告時間が短くなり、彼も前向きな表情になっています。
そして私も彼の成長を実感することができてうれしいと思いました。
これはすばらしい成果なのです。
だって、彼の成長はありえないと思っていたから。
あきらめていたことが実現したのです。
目標達成に向けた第一歩を踏み出すことができたのです。